1、バルコニータイルを敷いて段差を消す

バルコニーとリビングにある段差を無くしてフラットにしたい。
良くある希望ですが集合住宅である分譲マンションでは「NG」です。
主な理由は「3つ」あります。
1つは、バルコニーの土間って実は並行ではありません。
雨で雨水が混入した時に奥側にある側溝へ雨水が流れるように
緩やかに傾斜が付いています。
という事は、部屋側よりも奥側の側溝の方が若干下がっている訳ですね。
これを考慮してリビングとバルコニーの高さを揃えるには、
それなりにバルコニーの土間を嵩上げしてからタイルを敷く必要があります。
通常は土間へ直にタイルを敷く訳ですがフラット化する為には、下地を作り
傾斜も修正して上げる必要があります。
ベース材でフラットにする事は「物理的」に問題ありません。
これで部屋側とバルコニーの高さがフラットになります。
実は、これ自治体による消防法令に違反する可能性があります。
消防法により、バルコニーの土間から手摺の高さが決まっています。
フラット化する際に一番奥側が一番下っているので結構上げちゃいます。
これにより敷いたタイルの上面から手摺までの高さが「かなり」低くなってしまいます。
これで法令違反になってしまった場合にはタイルやベースを撤去して、
基の高さに戻さなければならないケースもあります。
こう言った懸念があるのでオプション会を含めて嵩上げせずに敷いているのです。

2、バルコニータイルの段差を無くしたりフラットにしたい

1と同じ流れですが懸念が、もうひとつあります。
皆様がお手元にお持ちの管理規約集。
これにも記載があると思いますが、バルコニーは占有権があるだけで、
所有権はありません。共用部分にあたります。
そのため、タイルは簡易的な置き敷きだけになり固定は違反になる事があります。
バルコニーの防水層など、修繕時には一時的に撤去する必要があるので、
固定や複雑な据付は管理規約違反に触れるケースがあります。
こう言った事もあるのでオプション会を含め簡易的な置き敷きの施工になっています。

3、高層階やルーフバルコニーへの施工懸念

屋外へ設置するものですので災害時(台風など)の影響で飛散する懸念があります。
そのため、居住者自身が安易に施工を行いますと施工した本人の「責任施工」となります。
例えば、飛散したタイルで人災や物損など事故が生じた場合には施工した人の責任になります。
概ね、個人では賠償保険等には加入していないと思いますので大変な惨事となってしまいます。
なので居住者様の施工はお勧めできません。
かと言って安価な業者へ施工依頼しても惨事になって会社が存在していなければ
保証もありませんので自己責任となってしまいます。
「しっかり」施工のできる会社を選びましょう。
安易に自社施工を謳っている会社よりも大手の施工会社へ外注している会社の方が
安心です。
同じタイルでも施工方法により飛散し難い事があります。
付帯部材を多く使用してしまう事になりますが高層階では端部カバー材などを使用して
タイルが飛散しないように工事する事が安全です。

4、全面施工せず部分的な施工はタイルの飛散する可能性が高い

予算の関係上、バルコニー全体へ施工するのが難しいので一部分だけを
施工したいと仰る方が居ます。
これ、非常に危険です。(低層階でも)
タイルが飛散する時は土間とタイルの隙間に風(空気)が入りこみ、
風の抵抗によりタイルが巻き上がる現象です。
特に最近のガラスの手摺形状の場合には手摺の下部に隙間があり、
これにより風の流速が速まります。
速度の高い風が一気にタイルの下へ入りますと簡単にタイルが巻き上がります。
そうならないようにバルコニー全体へタイルの施工を行います。
高層階やルーフバルコニーでは強制的に風が入り込まないように、
端部カバーで遮断したり土間と接着したりしてタイルの飛散を防御しています。

5、バルコニータイルを敷くと下に虫が湧くとか都市伝説

バルコニータイルを敷くとタイルの下に虫が湧きやすいとか記事をみます。
これ全部とは言いませんが、大半は都市伝説です。
先般も記載しましたとおり、タイルの下には風が入り易いんです。
という事は乾燥もし易いのです。
そんなところに虫は湧きません。
どうしても虫を湧かせたい場合には虫の幼虫を含む泥を沢山タイル下へ溢し、
常に水を垂らして湿気を誘発させます。
これで何とか虫が湧きやすいかと思います。
それでも大雨等で土が流されたり風で乾燥した土が飛ばされたりすると
虫が湧きません。
若しくはマンションのバルコニー側が山を切り開いて建てたような
湿度が常に高いバルコニーでガーデニングなどをしない限り
虫が湧くという事は無いと思います。(まー、世の中に絶対はありませんので)
それよりも近所で犬を飼っておりバルコニーでトリミングなどをされますと
抜けた毛が飛んできますので残骸がバルコニー下に入り絡んでしまい、
結果、汚れが溜まってしまう事もあります。
洗濯した衣類から落ちる髪の毛も同様です。
こちらのケースの方が現実的です。

6、バルコニータイルは汚れに強い

昨今のバルコニーの土間は雨水で滑らないようにノンスリップシートで
覆われています。
昔はモルタル仕上げの直でしたがヘアクラックなど入りますとクレームも
あるので滑って転んだクレームと一緒に対処するべくシート貼りになりました。
スリップしない事は大いにメリットなのですが、その加工のために
表面についた汚れは非常に落ちにくくなっています。
バルコニータイルの表面は外壁と同じ焼いたタイルになりますので
紫外線を浴びても色あせる事無く、汚れても水を撒き、
デッキブラシ等で擦れば綺麗になります。
お掃除が簡単です。

7、バルコニーの土間は職人が金コテで押さえてますので平らではない

バルコニーや開放廊下など、荒打ちしたコンクリート面へ左官屋の職人が
金コテでモルタルを押さえています。(表面公称30伉度)
この為、人間の作業によるものですので誤差があります。
土間へ水を散布すると水溜まりができます。(もちろん誤差の範疇ですが)
これを建築用語で「不陸」と呼びます。
この不陸があるので長尺のウッドデッキなどを敷きますと、
不陸の大きいところではガタツキが出てしまいます。
タイルですと300角の大判タイルですと影響がでやすいです。
ただ、これは職人の手作業によるものですので建物全体ではなく
職人さんの人数にもよりますので個々の部屋で個体差はあります。
余り気にせず居ても良い問題ですが頭の隅に置いといてください。
施工後に歩いたら多少のガタツキがあったら、この症状です。

8、バルコニー修繕時の対応

昨今の建築材料は良くなっていますのでバルコニー土間の
防水層含む修繕は竣工より15年〜くらいの周期かと思います。
この時にはバルコニータイルはもちろんの事、エアコンの室外機も
撤去する必要が出てきます。(物件により不要の場合もあるかもしれません)
この時、敷いてあるタイルを撤去するのですが概ね選択肢は2個あります。
ひとつは、自分で撤去してタイルを処分する。
タイルは樹脂マットによる簡易的な連結状態ですので工具も不要で
1枚づつ剥がす事が可能です。
少しづつ剥がして行き、紐で束ねて粗大ごみで処分する事ができます。
これが一番費用の少ない対応です。
もう一つは施工した業者による有償の作業です。
現状によりますが樹脂マットの連結部分の欠損や劣化が少ない場合には
再施工も可能です。
この場合には業者による撤去と引き取り運搬、一時お預かりとタイルの清掃。
修繕後にタイルの再施工。
欠損や劣化が激しい場合には撤去と処分のみも可能です。(施工した会社)
もし、施工した会社が現存しない場合には便利屋さんも良いかもしれません。
(撤去処分のみの場合)

9、やっぱりプロの作業と施工保証が大事

ここ最近は、ゲリラ的な災害が多くなっていますので
どんな台風が来るかもしれません。
安価だと思い、自身で施工してしまいますと台風が来る度に
生きた心地がしません。
また、個人経営のような業者さんで施工しても同じです。
兼業ではなく専門に施工している会社を選んで依頼しましょう。
自社施工?が一番怖いんですよ。